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塗り壁を使って健康&エコな暮らし

塗り壁をご存じでしょうか。

塗り壁とは水、土、植物など身近な天然素材を原料とする、人と地球にやさしい壁材で、古くから使われてきました。伝統的な素材でありながら、現代の暮らしにもうれしい特徴を備えています。

最近では、シックハウス対策として、室内の壁を塗り壁で仕上げることも増えてきました。

なぜシックハウス対策になるのかといいますと、化学物質をほとんど含んでいないからです。例えば、壁にビニールクロスを貼る場合、クロス自体がビニールで出来ていますし、接着剤にも化学物質が含まれています。

また、室内に使われるイメージが強い塗り壁ですが、実は外壁の仕上げ材としても根強い人気があり、当社でも内壁、外壁ともに塗り壁の施工を行っております。

 

 

では早速、塗り壁の中でも漆喰(しっくい)と珪藻土(けいそうど)についてご紹介したいと思います。

漆喰とは、お城などの壁に塗ってある白い塗り壁の材料です。昔ながらの和風の家や蔵の壁にも使われていたりするものです。

漆喰の原料は石灰(せっかい)です。石灰は、石灰石や貝殻、珊瑚などを焼いて作ります。運動会のときにトラックに白線を引く、あのラインパウダーも石灰です。

漆喰は、生石灰と水を反応させた消石灰に麻の繊維や海草から作った糊を水で練り、直接壁に塗ります。ですので、化学物質はほとんど含まれず、安心安全な塗り壁材といえます。

さらに、漆喰は元々が石灰石ですから、炭酸ガスを吸収し硬化する性質があるとともに、有害物質も吸着する効果があるといわれています。素材自体がアルカリ性ですから、防菌、防カビ効果もあります。

防火性能も高いため、台所や押し入れの中にも多く使用される時代がありました。現代では不燃性の石膏ボードが早く安く施工できるので、施工費がかさむ漆喰に代わって主流になっています。

また、よく誤解されていますが、漆喰には湿気をコントロールする機能はありません。

 

珪藻土とは、漆喰と違い、藻類の一種である珪藻の殻が堆積した土からできた塗り壁材です。

海や湖に生息していたプランクトンの死骸が堆積して土のようになった所から採取されます。

珪藻土には無数の穴が開いていて、優れた断熱性能や耐火性があるため、古くから珪藻土を削りだして作る切り出し七輪として使用されていました。

その他にも脱臭性能や吸放湿性能があることから、15年程前から一気に左官材料として使用されるようになりました。

最近では、コースターやバスマットなどの製品にも使われ、皆様が身近に感じられる材料となっているかと思います。

消臭効果や防火効果があるなど漆喰に似た特徴がある珪藻土ですが、唯一の違いとして、調湿効果があるということが挙げられます。

 

 

続いて、当社の内壁、外壁の塗り壁についてご紹介いたします。

内壁には珪藻土を主成分とする「ナチユール」、外壁には漆喰材「フレスコ」という塗り壁材を使用しています。

「ナチユール」について

珪藻土の中でも最も優れた調湿・消臭性能を有する稚内珪藻土と与那国の化石サンゴをブレンドして作られています。接着剤には食用糊を使用し、安心安全な自然素材で構成された塗り壁材です。

珪藻土は産地や商品によって性能差がありますが、「ナテユール」に配合されている稚内珪藻土は一般的な珪藻土に比べ、約4倍の調湿効果があり、乾燥剤として使われるゼオライトの約10倍の調湿効果があるという研究結果が出ています。

出典:株式会社ニルバホーム

 

なぜ、稚内珪藻土はそこまで優れた調湿性能を有しているのでしょうか。

それは、稚内珪藻土は無数のメソポア細孔(細孔穴250nm)を有しているからです。メソポア細孔は、湿度が60%以上になると、細孔内の水蒸気が水に変化し、大量に水蒸気を取り込んでくれます。細孔穴もほど良いサイズで、放湿もしやすく、吸放湿性能に優れています。

出典:株式会社ニルバホーム

 

一方、一般的な珪藻土はマクロポア細孔(細孔穴50um以上)を有していますが、細孔穴が大きいため、表面積が小さく、調湿性能が劣ります。

また、稚内珪藻土は室内で発生するアンモニアなどの様々な悪臭、ホルムアルデヒドなどアトピー性皮膚炎の原因になるVOC(揮発性有化学物質)を吸着し、除去する効果もあります。

実際、施工されましたお客様にお話をお伺いしますと、「空気感が今までと違う」「焼肉などをしても臭いが残らない」と効果を実感していただいているお声を頂戴しました。

「ナテユール」はおのずと快適な湿度に調湿してくれるため、アレルギーや風邪の抑制効果が期待できます。また、化石サンゴがブレンドされていることでブドウ球菌などの細菌やウイルス、亜鉛などの貴金属を吸着する効果もあり、自然の力で「省エネ・健康快適・安心の住まい」を実現することが可能です。

 

「フレスコ」について

「フレスコ」は消石灰をベースに独特な製法で作り上げた漆喰の塗り壁材です。性能や効果は先にお話ししましたが、漆喰壁は雨水に強く、火災にも強いため、外壁に適した塗り壁材といえます。

一般的な外壁材にサイデイングがありますが、約10年ごとに再塗装が必要になります。

一方、「フレスコ」は自浄作用があり、雨垢などの汚れに強く、いつまでも外壁を美しく保つ力があり、基本的に再塗り替えは不要です。『白は好きだけれど、汚れが目立つので…』と心配する必要がなく、輝くような白さが長続きします。

また、割れにくい強い材料であるため、クラックなどからの雨漏れや浸水の心配も少なくなります。

 

 

当社では塗り壁をご採用のお客様でご希望があれば、塗り壁体験を行っております。

上の写真は塗り壁体験の際、ご家族全員の手形を押したものです。こういったものも家づくりの思い出、記念になっていいですね!

塗り壁体験の様子はスタッフブログに掲載しておりますので、ご覧ください。

 

 

塗り壁はとっても健康でエコロジーですし、見た目や質感もビニールクロスやサイデイングとは全く違い、高級感があります。

費用については、クロスやサイデイングよりも割高になりますが、最近はだいぶ安くなってきましたので、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。